手作り石けんはなぜ環境にも優しいの?
レッスンの時などにもチラッとお話ししたりしますが、手作り石けんを使っていると、お風呂場や台所の排水口の汚れ具合に変化があることに気づきませんか?
手作り石けんは環境にも優しいといわれています。それはなぜでしょうか?
今日はここのところについて触れてみたいと思います♪
石けんは人類が最初に作った界面活性剤といわれています。
界面活性剤・・・水と油などのように本来混ざり合うことがないものを混ざり合うようにする成分のことを指します。界面活性剤のおかげで、クリームや乳液を作る際には、材料を乳化させることができ(混ざり合うようにする)なめらかさを出してもくれるのです。界面活性剤があることにより、石けんがモノについた汚れを浮き上がらせてくれ、拭い取ってくれる、ということです。
はじめて石けんが発見されてから5,000年以上。
作り方は今でもその頃と “ほぼ” 同じだそうです。
当時は狩猟で得た動物を焼いているときに滴り落ちた脂が木の灰と混ざったものが石けんとして使われていたそうです。
(当時の人たちはそこでよく、その木の灰が汚れを落とす!と気づいてくれたものです♪)
木の灰などには、炭酸カリウムや炭酸ナトリウムといったアルカリ成分が入っていることから、のちに苛性ソーダが作られるようになりました。
(ちなみに、苛性ソーダは19世紀にドイツで海水を電気分解して作りだされたそうです)
自然界においてのアルカリというと、木の灰・灰汁・海藻灰などがあり、日本では昔洗濯する際に使われていたといわれています。
昔話によく出てくるように川で洗濯を・・・ということですね。
ここまでの内容で、手作り石けんがなぜ環境に優しいのか、何となくおわかりになった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そう、手作り石けんの中身はいたってシンプル。
天然の油脂とアルカリを反応させて作るだけ。
今の世の中に多く溢れている合成の成分が含まれていないものが「手作り石けん」なのです。
天然の材料で作られているから、石けんとして使われて川や下水に流れても、自然界のミネラルと結びつき、魚のエサとなる脂肪酸マグネシウムや脂肪酸カルシウムなどになります。
石けんは1日で水と二酸化炭素に分解され、石鹸カスは微生物の栄養源となり生態系にリサイクルされるのです。
(そうそう、昔は川で洗濯をしていましたが、そのために川が汚染された、ということは聞かなかったはずです)
うまく自然界と循環している、ということになりますね。
これが合成の成分で作られた洗剤などになると、分解されにくいものが多く、また魚のエサとなるどころか魚を殺してしまうことにもなり、また循環されないので水は汚れ、環境が悪化する・・・という仕組みです。
ですので、手作り石けんを使って食器などを洗ったりすると、排水口の汚れが合成の台所用洗剤を使っていた頃と比較すると違う、ということになるのです。
そして、排水口の周りにベトベトしたものがこびりついたり、ヌメリが出たりするのは、汚れが洗剤と一緒に残ったもの。
または、分解されない合成成分が残り水と反応したもの、ということになります。
(夏場になるとイヤな臭いがしたり・・・します)
いきなり、環境が!ということを口に出したりするとビックリするかもしれませんが、自分の身の回りからちょっと意識していくようにしてみてはいかがでしょうか。
それが長い目で見たり、大きな目で見たりすると、世の中にとって良いことなのだ、と捉えていただければ、と思ったりしています。
(我が家の台所の排水口。特別大掃除をしなくても洗い物をしたついでにササッと掃除すれば、いつもこんな感じです)
私のレッスンで作っていただく、固形石けん、キッチンソープ、リキッドソープ、どれも今の内容が当てはまります。
ぜひ、改めて「手作り石けん」を大切に扱ってみてくださいね!